HOME

緑内障

緑内障とは

緑内障は、眼から脳へ視神経が出ていくところ(視神経乳頭)で、視神経が障害されて少なくなる病気です。視神経が少なくなると、視野(ものが見える範囲)が徐々に狭くなり、進行すると視力低下、失明に至ります。

緑内障

眼の中には房水という水が流れており、その流れ具合で眼球の圧力(眼圧)を保ち眼球の形を維持しています。日本人の眼圧の平均は14.5mmHgで、正常範囲は10~20mmHgです。

緑内障

眼圧が高くなると視神経乳頭が圧迫され視神経が障害されてしまいますが、眼圧が正常範囲でも視神経乳頭が弱いと緑内障を発症します。日本人の緑内障の大半が正常眼圧緑内障です。

緑内障にかかっても、かなり悪化して視野が狭くらないと自分では気が付かないため、発見が遅れてしまい、現在日本人の失明原因の第一位となっています。 残念ながら現在の医学では、いったん障害された視神経を回復させることはできませんが、なるべく早く発見して、眼圧を低くコントロールすることによって、 緑内障の進行をおさえ、生活に不自由しない視力や視野を維持することができます。
40歳以上の日本人の17人に1人が緑内障で、年齢が上がると増加していきます。近視が強い方、家族に緑内障患者さんがいる方も緑内障にかかりやすいといわれています。


緑内障の検査

眼圧検査

器械を黒目にあてて測定します。眼圧は測定時刻、気温、体調、精神状態によって変動しますので、 治療開始前には最低3回、日時を変えて測定します。治療開始後も定期的な眼圧測定が必要です。

隅角検査

隅角は房水が眼の中から出ていくところで、黒目と白目の境界にあります。眼に診察用のコンタクトレンズを当てて検査します。 緑内障は隅角が広いタイプの開放隅角緑内障、狭いタイプの閉塞隅角緑内障に分類されます。その他、炎症や外傷の後、先天異常が見つかる場合もあります。

視野検査

視野計に顔を固定し、中心のマークを見つめた状態で、光が見えたらボタンを押す検査で、7~15分間かかります。 視神経が減少して視野が狭くなっているところ、感度が低下している範囲がわかります。 治療開始後も定期的に視野検査を行い、悪化しているかどうか、悪化のスピードが速いかどうかを確認します。

眼底検査

眼球の中を見る検査で、視神経乳頭の形、網膜(映像を感じ取るところ)の中の視神経の状態を観察する検査です。

画像検査(OCT)

視神経乳頭のくぼみ、網膜の視神経の厚みを測定する検査です。視神経が障害されていても視野検査で異常がみられない、ごく早期の緑内障を見つけることができます。

緑内障

初診の場合は診察、検査に1時間以上がかかります。

緑内障の治療

緑内障の治療は悪化しないと予想される値まで眼圧を下げて、視力や視野を維持して、生涯困らないようにすることが目標となります。 狭くなった視野を元に戻したり、緑内障自体を治すものではなく、眼圧を下げて、緑内障の進行を遅らせるものです。治療法は薬物治療、レーザー治療、手術治療の3つがあります。

薬物治療

眼圧を下げる目薬には「房水の排出を促す作用」のもの、「房水の産生を抑える作用」のものがあります。 最初は一つの目薬で様子を見て、眼圧が下がらない場合、視野が悪化する場合は複数の目薬を組み合わせて治療をします。

レーザー治療

隅角にレーザーを照射し房水の排出をよくする治療です。昔から行われている治療ですが、最近では色素を持つ細胞だけに作用する SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)が行われるようになり、治療成績が向上しています。点眼麻酔を行い、治療用のコンタクトレンズを眼にあてて10分ほどで痛みもなく終了します。

2019年にイギリスで行われた大規模な臨床研究で点眼治療とSLTの治療効果を検討した論文が発表されました。 緑内障と診断された718人のうち356人をSLT、362人を点眼で治療し3年間経過を見たもので、SLTで治療した人のほうが眼圧の経過と、治療の費用対効果が良好でした。 (Gazzard G, et al ; Lancet 2019、Garg A, et al ;Ophthalmology 2019)

当院では治療の早い段階からSLTを行っています。また点眼薬が目に合わない方、毎日点眼するのが困難な方、点眼治療だけでは十分眼圧が下がらない方にもお勧めしています。

手術治療

眼球の壁の一部を小さく切り取ったり、隅角の一部を切り取ることで、房水の流れを改善して眼圧を下げます。 一般的には入院が必要ですが、通院で行うところもあります。手術治療が必要な場合は、信頼できる病院をご紹介させていただきます。

緑内障で見えなくならないようにするために大切なこと

なんといっても早期発見をすることが大切です。40歳以上の方、近視が強い方、家族に緑内障患者さんがいる方は眼科を受診してください。 また健康診断やコンタクトレンズクリニックなどで「緑内障疑い」「視神経乳頭陥凹拡大」「視神経線維束欠損」を指摘されたことのある方も詳しい検査が必要です。

緑内障の検査をご希望の場合はお電話でお問い合わせください。
電話:03-6280-7690
月~土:9:30~12:30、月・火・水・金:14:45~18:00

医院概要

  • 神楽坂みなみの眼科

    院長

    医学博士 南野 麻美

    住所

    〒162-0825
    東京都新宿区神楽坂 5-21-1
    長谷川ビル2F

    電話

    03-6280-7690

診療のご案内

診療時間・アクセス

  • 診療時間

     
    9:30~12:30
    15:00~18:00
    ※木曜・土曜 午後、日曜、祝日 休診
  • アクセス

    〒162-0825
    東京都新宿区神楽坂 5-21-1
    長谷川ビル2F


    都営大江戸線
    「牛込神楽坂駅」A3出口 徒歩2分
    東京メトロ東西線
    「神楽坂駅」神楽坂口徒歩3分
    JR中央・総武線、東京メトロ東西線
    有楽町線、南北線、都営大江戸線

    「飯田橋駅」徒歩7分

よくある質問・お問い合わせ

  • よくある質問
  • 緑内障とはどのような病気ですか?またどのような症状がありますか?

    白内障と同じく、緑内障という病気の名前もよく聞かれると思います。
    緑内障の原因には眼圧が関係していることが分かっております。
    初期の内は、全く自覚症状はありませんが、放置しますと徐々に視神経が傷んできます。
    視神経が痛んできますと視野が欠けていきますが、自覚症状を感じない方も多くおられます。
    緑内障で見えなくなってしまうと残念ながら手術でも治りません。
    このため緑内障は非常に怖い病気といえます。
    手遅れにならないうちに発見するためには、定期的に眼科検診を受ける必要があります。
  • 白内障とはどのような病気ですか?

    白内障とは、ピントを合わせるためのレンズの役割を持つ水晶体が濁って、視力が低下したり、視界がかすむ、光のまぶしさが増すといった症状が出る加齢に伴う病気です。
  • 糖尿病や高血圧に伴う網膜症とは具体的にどのような病気ですか?

    糖尿病になりますと、血液中の糖分(血糖)が多くなり血糖値が高くなります。その状態が続くと血管に多くの負担がかかり、全身の細い血管に障害が起こります。また、高血圧症の方では、動脈硬化によって網膜の血管にまで影響を及ぼします。
    網膜には、目に酸素を運ぶための細い血管が多数走っており、網膜にさまざまな障害が起こるのです。
    糖尿病や高血圧のかたは定期的な眼底検査をお勧めします。
  • 子供の弱視の原因は何ですか?またどのような治療法がありますか?

    弱視は主に強度の遠視、乱視、斜視、先天性白内障といった目の異常のせいで、乳幼児期に物がはっきり見えない状態にあったため視力が発達しなかったことが原因です。
    治療法は、眼鏡をかけて網膜にピントを合わせ、矯正視力(眼鏡をかけた時の視力のこと)を発達させたり、手術で斜視を治した後、訓練で改善を図ったり致します。
    尚、治療が遅れると改善しにくくなるため、早期の発見が大切です。
  • 早く受診したほうがいい状態は?

    視力が低下した時・視野がおかしくなったと感じた時は、なるべく早く受診してください。
    飛蚊症(黒い点が飛んで見える)が急に出てきたり、増えたりしたときも注意が必要です。
    また、まぶたの腫れや、目やにが急に増えたときも、早めの処置が早く治すコツです。